診療案内– MEDICAL –

青葉どうぶつ医療センターの診療についてご案内します

  • ワンちゃんとネコちゃんのストレスを軽減するために待合室、診察室、入院室を完全分離しております。
  • 基本的にはペットホテルとトリミングはやっておりませんが、持病や高齢のために他施設ではお預かりができないケースにつきましてはご相談ください。
  • セカンドオピニオンのみも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

診療科目

  • 外科・整形外科
  • 内科
  • 神経科
  • 歯科
  • 予防医療
  • 再生医療新規医療

歯科

歯周病とは、歯の表面に付着した細菌の塊(プラーク)により引き起こされる感染症の事です。
歯周病が進行すると細菌の毒素により顎の骨が次第に溶けて骨に穴が開いたり、骨が折れたり、顔が腫れ歯が抜けたりと色々な症状を引き起こしてしまいます。

近年の報告では歯周病に伴い、心臓や腎臓など全身のさまざまな場所に影響を及ぼすことが報告されています。
また、3歳以上の犬猫の約80%以上が歯周病を持っているとも言われています。

  • 口の中が臭う
  • 歯石が付着している
  • 歯が抜けた
  • 歯肉から血が出ている
  • 口周りを触られるのを嫌がるようになった
  • よだれがよくついている
  • 顔が腫れている

など・・・

これらの項目が一つでも当てはまるなら、ご相談ください。早期に治療をすることで歯周病を予防することができます。

歯垢及び歯石除去について

STEP
口腔内チェック(歯周病の評価や口腔内腫瘍の有無など) 
STEP
超音波スケーラーの衝撃波によって歯石を破壊・除去
STEP
歯周ポケットの歯垢除去
STEP
ポリッシング 歯の表面の凹凸を研磨・歯垢の再付着予防
STEP
最終確認 (色々な方向から確認します)

当院では全身麻酔下での歯科処置を推奨しております。

その理由は・・・

  1. 先端が鋭利な器具を使用するので動くことによって怪我をさせない
  2. 歯周ポケットを十分な処置をする
  3. 不完全な研磨をしない
  4. 気管内挿管をすることによって誤嚥を予防する
  5. 詳細な口腔内検査を行う(歯の状態、口腔内腫瘍、口内炎などの評価)
before
after
before
after:一部抜歯・縫合済み

外科診療

一般・予防手術から専門診療まで対応しております

外科は、術前・手術・術後といった周術期の管理に分けられます。

術前に関しては、検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査など)を実施し、その結果に応じて術前管理が必要なのか、それとも手術自体を見直さなければならないかなどを判断していきます。また、必要であれば術前に入院下での管理が必要となることもあります。

次に手術に関しては、各臓器における疾患に対する外科手術の経験を踏まえて手術にあたらせていただきます。

当院では電気メス、バイポーラー、Colibri Synthes社(整形外科手術動力システム)、ラウンドバー(骨切削)、および前十字靭帯断裂に対する手術方法であるTPLOシステムを備えており、軟部外科、腫瘍外科、整形外科および脊髄外科が実施可能であります。

最後に術後管理に関しては、血液ガス分析装置やICUユニット(酸素室)などを用いた集中管理も実施します。また入院患者のケージにはカメラでの監視も行っています。

また当院は周術期の感染予防のために手術室と手術準備室を完全に分けており、手術前の毛刈りや消毒などは手術準備室で実施することで、術後感染を予防しております。

  • 手術が有効でない疾患や状況もございますので、治療法に関してもお気軽にご相談ください。
  • 病気によっては他施設で画像診断を受けてきていただくことがあります。
Colibri:整形外科用動力システム
TPLO:前十字靭帯断裂の手術
大型犬の橈尺骨粉砕骨折整復
大腿骨遠位粉砕骨折整復
TPO:股関節形成不全の手術
大型犬の膝蓋骨外方脱臼
→大腿骨矯正骨切り術、脛骨粗面転位術、滑車溝再建術
小型犬の膝蓋骨内方脱臼→脛骨粗面転位術、滑車溝再建術
尿管結石の手術(SUB system)
短頭種気道症候群(軟口蓋切除、外鼻孔拡大術)
右下顎メラノーマ(下顎骨部分切除術)
会陰部皮下腫瘤切除

内科診療

内科では、消化器科、循環器科、呼吸器科、皮膚科、腫瘍内科などに分けられます。

これらの疾患では、正確な診断及び治療が必要となり、時には外科療法との組み合わせで治療を進めていくこともあります。当院では、血液検査(CBC,血液化学検査, 血液ガス)、レントゲン検査、超音波検査(胸部、腹部)、内視鏡検査(上下)の施術が可能であります。

CT検査が必要となるケースでは、他施設での検査を紹介させていただきます。入院下での治療では、夜間での点滴治療やICU管理が可能となっております。

当院院長は日本獣医生命科学大学及び東京農工大学の附属動物医療センターで、全科ローテーション研修を修了しており、内科研修も行なっておりますので何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

神経科診療

発作、性格の変化、ふらつきなどの症状が見られたときには原因精査が必要となります。神経の疾患は脳疾患と脊髄疾患に分けられます。

まず脳疾患ではてんかん、脳炎、脳腫瘍、脳梗塞などの鑑別のためにMRI検査が必要となることが多く、他施設での画像診断検査を勧めることがあります。前職ではてんかんや脳炎の症例を多数経験しておりますのでお気軽にご相談ください。

また当院では対応不可能な治療(開頭手術や放射線治療)が必要となる場合は、大学病院や専門施設をご紹介させていただきます。

次に脊髄疾患に関しては、椎間板ヘルニア(頚部、腰部)、環椎軸椎不安定症、椎体腫瘍などが挙げられますが、これらの疾患も同様にMRI検査(±CT検査)が必要となるため、他施設での画像検査を勧めることがあります。

その後の治療に関しては、内科および外科治療対応可能ですのでご相談ください。また術後のリハビリや再生医療にも取り組んでいますので、合わせてご相談ください。

頚部椎間板ヘルニア
脳腫瘍(髄膜腫)
髄膜脳炎
胸腰部椎間板ヘルニア→小範囲片側椎弓切除術
環椎軸椎不安定症→腹側固定術
変性性腰仙椎狭窄症→背側椎弓切除術+椎体固定術

予防医療

当院では一生涯にわたって、予防医療が重要であると考えており、感染症予防健康診断がん検診を通じて病気の予防・早期発見に努めてまいります。

① 感染症予防

健康であり続けるためにワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防は非常に大切であります。

感染症対策は動物とヒトが安全に共存するためにも必要なことでありますので、何か疑問点がございましたらお気軽にご質問下さい。

ワクチン接種料金表
ワンちゃん狂犬病ワクチン¥ 2,950
5種混合ワクチン¥ 6,000
10種混合ワクチン¥ 8,000
ネコちゃん3種混合ワクチン¥ 4,000
※ワクチン接種前の身体検査は大事であると考えており、再診料を別途いただいております。

② 健康診断

当院ではどのような病気でも早期発見が、一番大事であると考えております。

動物医療において、ほとんどの病気が比較的進行した状態で発見されることが多いです。定期的な健康診断を行うことで、手遅れになる前に病気を発見していくことが重要と考えております。

またワンちゃんとネコちゃんの1年間というのは、我々(ヒト)の5年間に相当するとも言われております。

これらのことから、1年に1回の健康診断を推奨します

当院では大学病院および高度医療施設での全科研修を行なった獣医師が、健康診断を実施しております。

健康診断コース

ライトコース<身体検査+血液検査>

所要時間30分ほど ¥10,000

レギュラーコース<身体検査+血液検査+レントゲン検査+超音波検査

所要時間40〜60分ほど体重20 kg未満¥23,000
体重20〜30 kg¥28,000
体重30〜40 kg¥33,000
体重40kg以上¥38,000
  • 血液検査:内分泌検査や血中濃度測定などの特殊検査は別途料金発生します)
  • 別途診察料がかかります。

がん検診

  • イヌとネコの死因TOPはがんです(2頭に1頭の割合)。
  • また動物のがんはヒトと比べて進行も早いため、症状が発現した時にはステージがすでに進んでしまっていることが多いのです。
  • 当院では早期発見が非常に大切であると考えております。 
  • 全年齢でがんは発生する可能性はありますが、日本での報告では6歳以上からがん発生率が上昇すると言われております。
  • 血液からある特定のがん種を判別するマイクロRNA測定することによるLiquid Biopsyを導入し、2022年11月から測定開始する予定であります。
  • 現在では肝細胞癌、悪性リンパ腫、肥満細胞腫、口腔内悪性黒色腫、尿路上皮がんの測定が可能となっております。

※確定診断ではなく補助診断であるため、身体検査とマイクロRNA検査により、がんが疑われた場合は特定したがん種に応じた検査を実施していくことが重要であります。

予防医療

  • Aコース→ 身体検査+リキッドバイオプシー
  • Bコース→ 身体検査+リキッドバイオプシー+血液検査
  • Cコース→ 身体検査+リキッドバイオプシー+血液検査+レントゲン検査+超音波検査
  • 各コースの費用に関しては、お問合せください。
  • 血液検査:内分泌検査や血中濃度測定などの特殊検査は別途料金発生します。

再生医療・新規治療

7年前より幹細胞療法について東京農工大学 伊藤博(名誉教授)の元で、様々な症例を通じて学んでまいりました。まだまだ発展途上である分野でありますが、副作用なく動物自身の自己修復能力を利用して様々な作用が期待できます。

共同研究先である株式会社アニマルステムセルにて、自らが培養及び培養加工している脂肪幹細胞の投与を中心に行っていきます。

最新の知見を提供できるようにその道の権威であられる伊藤先生に相談役となっていただき、邁進してまいります。 ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

特別相談役:伊藤 博先生

東京農工大学 名誉教授

株)メディカルアーク代表取締役

ヒトや動物は、骨折や傷を受けた場合、しばらくすると自力で修復する再生能力を持っています。

この再生能力に着目し、障害に陥った組織・臓器の再生及び機能の修復をめざす医療のことを再生医療といいます。再生医療では、体内の様々な細胞に変化する可能性を持った幹細胞を用います。

幹細胞療法の流れ

脂肪組織の中には、幹細胞が比較的多く含まれているため、この脂肪由来幹細胞を専用施設で培養し、患者犬の体内に注射で戻します。

幹細胞の投与量について

人の医療では、約2000万個~の細胞数で脂肪由来幹細胞療法が提供されています。 犬の治療では、1回につき100万個の投与を行います。

投与回数について

週2回投与、同じ曜日の投与を2週間継続して行い(1クール)、治療効果を判定します。ただし、獣医師の効果判定により、投与回数を増やしたり、減らしたりする場合があります。

注意事項/Q&A

幹細胞療法は、まだ研究段階の新しい技術です。治療に際しては、担当獣医師から十分な説明を受け、また質問する機会も得た上で、その実施に同意してください。

幹細胞療法は安全な治療法ですか?

iPS細胞やES細胞ではがん化のリスクなどが報告されていますが、脂肪由来幹細胞については、そのようなリスクはありません。既に、臨床試験が行われている、安全な治療法です。

他個体の脂肪幹細胞を入れても大丈夫でしょうか?

国内の人医療分野では、全て(100%)自分の脂肪組織から採取した幹細胞を用いた臨床試験が進んでいますが、世界的には、約23%が他個体の幹細胞を用いた試験が進んでおり、有害事象の報告はありません。

他個体の脂肪幹細胞を使うメリットは、①短期間での治療開始が可能(自分の細胞を採取して培養を行う時間約2,3週間が短縮可能)。②低価格での治療が可能。などが挙げられます。

自身から採取した脂肪幹細胞療法を望む場合は、担当医にご相談ください。

痛みや副作用はありますか?

注射での投与ですので、通常の注射の痛みがあります。

副作用については、報告されておりません。

どこに投与するのですか?

多くの疾患では静脈注射ですが、脊椎損傷の場合はくも膜下腔内、関節疾患の場合には関節腔内に注射し、疾患や目的に応じて担当獣医師が判断致します。

どのような疾患に効くのですか?

これまで、他施設で投与した症例は表の通りです。治りにくい疾患や現時点で有効な治療法がない患者犬/猫に投与しています。

ただし必ずしも、効果を保証するデータではありません。

表1
幹細胞療法はどのようなメカニズムで効いているのですか?

多くの論文報告がありますが、そのメカニズムの全貌は未だ研究段階です。脂肪由来幹細胞については、体内の炎症性反応を抑制するという効果が報告されています。

幹細胞の投与数はどのくらいですか?

週1回の治療で約100万個投与し、4週間を1セット(100万個×4回=400万個)として治療効果の判定を行います。ただし獣医師の判断で、回数の増減があります。

治療に年齢や性別の制限はありますか?

基本的に年齢や性別の制限はありません。これまでの実績は上記表(表1)をご参照ください。

費用はどのくらいかかりますか?

1回の投与で6~10万円、4回1セットで24~40万円の治療費となります。(ただし、検査費など幹細胞療法以外の費用は含みません)

どのような治療スケジュールですか?

週2回、同一曜日に2週間続けて投与します。よって、毎週きめられた曜日に通院頂く必要があります。

<例>

症例報告~イヌの椎間板ヘルニア~

  • 高齢の椎間板ヘルニア症例に対して、脂肪幹細胞を静脈投与したところ、大きく歩様改善した
  • 投与量:100万個の他家脂肪由来間葉系幹細胞を4回;計400万個投与
  • 投与間隔:週2回、2週連続で投与
投与前
投与4週間後