再生医療・新規医療

再生医療・新規治療

7年前より幹細胞療法について東京農工大学 伊藤博(名誉教授)の元で、様々な症例を通じて学んでまいりました。まだまだ発展途上である分野でありますが、副作用なく動物自身の自己修復能力を利用して様々な作用が期待できます。

共同研究先である株式会社アニマルステムセルにて、自らが培養及び培養加工している脂肪幹細胞の投与を中心に行っていきます。

最新の知見を提供できるようにその道の権威であられる伊藤先生に相談役となっていただき、邁進してまいります。 ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

特別相談役:伊藤 博先生

東京農工大学 名誉教授

株)メディカルアーク代表取締役

ヒトや動物は、骨折や傷を受けた場合、しばらくすると自力で修復する再生能力を持っています。

この再生能力に着目し、障害に陥った組織・臓器の再生及び機能の修復をめざす医療のことを再生医療といいます。再生医療では、体内の様々な細胞に変化する可能性を持った幹細胞を用います。

幹細胞療法の流れ

脂肪組織の中には、幹細胞が比較的多く含まれているため、この脂肪由来幹細胞を専用施設で培養し、患者犬の体内に注射で戻します。

幹細胞の投与量について

人の医療では、約2000万個~の細胞数で脂肪由来幹細胞療法が提供されています。 犬の治療では、1回につき100万個の投与を行います。

投与回数について

週2回投与、同じ曜日の投与を2週間継続して行い(1クール)、治療効果を判定します。ただし、獣医師の効果判定により、投与回数を増やしたり、減らしたりする場合があります。

注意事項/Q&A

幹細胞療法は、まだ研究段階の新しい技術です。治療に際しては、担当獣医師から十分な説明を受け、また質問する機会も得た上で、その実施に同意してください。

幹細胞療法は安全な治療法ですか?

iPS細胞やES細胞ではがん化のリスクなどが報告されていますが、脂肪由来幹細胞については、そのようなリスクはありません。既に、臨床試験が行われている、安全な治療法です。

他個体の脂肪幹細胞を入れても大丈夫でしょうか?

国内の人医療分野では、全て(100%)自分の脂肪組織から採取した幹細胞を用いた臨床試験が進んでいますが、世界的には、約23%が他個体の幹細胞を用いた試験が進んでおり、有害事象の報告はありません。

他個体の脂肪幹細胞を使うメリットは、①短期間での治療開始が可能(自分の細胞を採取して培養を行う時間約2,3週間が短縮可能)。②低価格での治療が可能。などが挙げられます。

自身から採取した脂肪幹細胞療法を望む場合は、担当医にご相談ください。

痛みや副作用はありますか?

注射での投与ですので、通常の注射の痛みがあります。

副作用については、報告されておりません。

どこに投与するのですか?

多くの疾患では静脈注射ですが、脊椎損傷の場合はくも膜下腔内、関節疾患の場合には関節腔内に注射し、疾患や目的に応じて担当獣医師が判断致します。

どのような疾患に効くのですか?

これまで、他施設で投与した症例は表の通りです。治りにくい疾患や現時点で有効な治療法がない患者犬/猫に投与しています。

ただし必ずしも、効果を保証するデータではありません。

表1
幹細胞療法はどのようなメカニズムで効いているのですか?

多くの論文報告がありますが、そのメカニズムの全貌は未だ研究段階です。脂肪由来幹細胞については、体内の炎症性反応を抑制するという効果が報告されています。

幹細胞の投与数はどのくらいですか?

週1回の治療で約100万個投与し、4週間を1セット(100万個×4回=400万個)として治療効果の判定を行います。ただし獣医師の判断で、回数の増減があります。

治療に年齢や性別の制限はありますか?

基本的に年齢や性別の制限はありません。これまでの実績は上記表(表1)をご参照ください。

費用はどのくらいかかりますか?

1回の投与で6~10万円、4回1セットで24~40万円の治療費となります。(ただし、検査費など幹細胞療法以外の費用は含みません)

どのような治療スケジュールですか?

週2回、同一曜日に2週間続けて投与します。よって、毎週きめられた曜日に通院頂く必要があります。

<例>

症例報告~イヌの椎間板ヘルニア~
  • 高齢の椎間板ヘルニア症例に対して、脂肪幹細胞を静脈投与したところ、大きく歩様改善した
  • 投与量:100万個の他家脂肪由来間葉系幹細胞を4回;計400万個投与
  • 投与間隔:週2回、2週連続で投与
投与前
投与4週間後