眼球内に発生した悪性黒色腫

症例

13歳、ラブラドール、去勢雄

来院理由

数時間までは正常だったのに、急に右眼が赤くなり腫れてきた。

身体所見

右眼に重度の結膜浮腫と角膜混濁を確認。
また眼球内に腫瘤病変や出血を疑う所見があったため超音波検査を実施。

画像①:見えづらいが眼の中に腫瘤病変を疑う

検査

眼科検査:威嚇反射は乏しいが、眩目反射はあり。眼圧は正常(13mmHg)。
超音波検査:虹彩・毛様体を起源とする腫瘤病変を疑う。下顎および内側咽頭後リンパ節への明らかな転移所見なし。

画像②:超音波検査にて腫瘤病変を確認
画像③:数日後に結膜浮腫が改善した際の右眼外貌

鑑別診断

眼球内腫瘍(虹彩・毛様体)

  • 悪性黒色腫(メラノーマ)
  • 腺腫・腺癌
  • リンパ腫

治療

眼球腫瘍は抗がん剤などの内科療法が難しく、外科手術による治療が一般的。
飼い主様と相談の結果、腫瘍の転移や緑内障などの合併症が出る前に手術を実施。

術式:経眼瞼眼球摘出術

経過

病理検査:悪性黒色腫(メラノーマ)

検査結果より、悪性黒色腫という悪性腫瘍であったが眼球内の腫瘍は全て摘出されており、転移の可能性は低いと考えられる。
念のため定期的な検査を提案。

担当獣医師:萩原


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