猫の皮膚肥満細胞腫②

症例

4歳3ヵ月 サイベリアン(去勢・雄)

来院理由

耳にできものがある。

身体所見

(※写真は拡大できます)

右耳の耳介部に3mm大の腫瘤が認められた。一部出血していた(図1*)。
周囲のリンパ節の腫脹は認められなかった。

猫の皮膚肥満細胞腫
図1:耳介部に出血を伴った腫瘤が認められる

検査

【針生検】

  • 肥満細胞が大量に採取された
  • 同時にリンパ節の針生検も行ったがこちらは異常が認められなかった

【血液検査】

  • 異常なし

【レントゲン検査】

  • 胸腹部共に異常なし

【超音波検査】

  • 胸腹部共に異常なし

治療方針

(※写真は拡大できます)

外科的に摘出を行った。本来は正常な部分も含めて大きく切除すべきではあるが、発生部位が耳であり大きく切除するとなると外見を損なうことから最小の切除幅で辺縁部切除を行った(図2*)。

図2:縫合後

病理検査の結果は肥満細胞腫であった。最小限の切除幅であったが(図3*)、完全切除であった。

図3:切除した腫瘍

経過

切除後は経過良好。

獣医師からのコメント

この子も前回と同様、顔周りにできた肥満細胞腫を切除しました。実はこの子は約半年前にも別の部位の肥満細胞腫を切除しており、多発性の肥満細胞腫と診断した子です。多発する子では脾臓が肥満細胞腫の原発巣で、皮膚にできたものは転移だったということもあるため超音波検査や針生検で全身に問題が無いかを確認していきます。この子は脾臓や消化管にも問題が無かったため皮膚原発の肥満細胞腫と判断しました。また前回紹介した子と違う点としては若齢という点があり、比較的若い子でも発生しやすいという点を知っていただきたいです。

この子は今後も注意深く新規病変ができないか、経過を追っていきます。

担当獣医師のお名前

小島 大輝

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