- 診療時間
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- 9:00~12:00/16:00~20:00/22:00~6:00
- 年中無休 365日診療(夜間救急:金・土・日・月)
症例
年齢:12歳1か月
動物種:ミニチュア・ダックスフンド
性別:避妊雌

来院理由
活動性の低下を認めたため他院を受診し、MRI検査を実施。
MRI検査では、T12-13椎体間の右側から脊髄を重度に圧迫する所見が認められた。
外科手術を希望し、当院を受診。
身体所見
両後肢について起立困難な状態であり、神経学的検査では両後肢の不全麻痺を認めた。
検査
他院にて撮影していただいたMRI検査では、腰椎(T12-13)椎体間右側より重度の脊髄圧迫所見を認めた。
また、神経学的検査では両後肢の不全麻痺に加え、浅部痛覚の消失を認めた。
これらの検査結果から、腰椎(T12-13)の椎間板ヘルニアによって脊髄が強く圧迫されていると判断した。
椎間板ヘルニアは、椎骨と椎骨の間にあるクッションの役割をする「椎間板」の一部が突出・逸脱し、脊髄を圧迫することで、後肢のふらつきや麻痺、痛みなどの神経症状を引き起こす疾患である。特にミニチュア・ダックスフンドは椎間板ヘルニアが起こりやすい犬種として知られている。


(赤矢印 椎間板物質)
治療方針
胸腰部椎間板ヘルニアに対して、片側椎弓切除術による圧迫物質の摘出を実施した。
今回の症例では、MRI検査において脊髄への重度の圧迫が確認され、さらに自立起立困難、両後肢の不全麻痺、浅部痛覚の消失といった神経学的異常を認めた。
そのため、脊髄にかかっている圧迫を解除し、神経機能の回復を図ることを目的として外科手術を行った。
片側椎弓切除術では、椎弓の一部を切除して脊髄へアプローチし、脊髄を圧迫している椎間板物質を摘出する。
脊髄への圧迫を解除することで、圧迫によって障害された神経組織の回復を促すことが手術の重要な目的となる。
今回の手術では、ラウンドバーを用いて椎弓を削り、脊髄へ到達するためのスロット孔を作成した。
作成したスロット孔から脊髄を確認し、脊髄を圧迫している椎間板物質を摘出した。

ラウンドバーを用いて椎弓を削り、脊髄へのアプローチを行っている様子

脊髄へアプローチするためのスロット孔を作成している様子

経過
術後経過は良好。
術後からリハビリテーションとして起立訓練を実施し、脊髄の減圧後、神経機能の回復とともに少しずつ自分の力で身体を支えられるようになった。
術後4日目には自立起立が可能となり、術後10日目には自力歩行可能なレベルまで回復した。
術後1か月の時点でも経過は良好で、自立起立および自力歩行が可能な状態まで回復している。
獣医師からのひとこと
「椎間板ヘルニアについて」
椎間板ヘルニアは、犬では比較的よくみられる脊椎疾患のひとつである。
特にミニチュア・ダックスフンドなどの犬種では注意が必要である。
椎間板ヘルニアでは、椎間板物質によって脊髄が圧迫されることで、痛みや後肢のふらつき、麻痺などの神経症状が生じる。
症状が進行すると、自力で立つことや歩くことができなくなる場合もある。
椎間板ヘルニアは、症状の程度によって安静や内科療法で経過をみる場合と、手術による治療が必要となる場合がある。
特に麻痺などの神経症状が認められる場合には、神経学的検査やMRIなどの画像検査によって脊髄の状態を正確に把握し、適切な治療方針および早期の治療介入を検討することが重要である。
また、手術によって脊髄への圧迫を解除した後も、神経機能の回復には時間を要する場合がある。
そのため、術後の状態に合わせたリハビリテーションを行い、起立や歩行などの運動機能の回復を段階的にサポートすることも重要となる。
当院では脊髄外科を積極的に実施しておりますので、ご相談ごとがございましたら、お急ぎでお話頂けたらと思います。また再生医療による治療実績もございますので、いつでもご相談ください。
椎間板ヘルニアは突然症状が進行することもあるため、日頃から愛犬の歩き方や動き方をよく観察し、少しでも普段と違う様子がみられた場合には、早めに動物病院へご相談ください。
担当獣医師:丸山純果先生




