犬の両側前十字靭帯完全断裂に対する脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)

症例

4歳2カ月齢、バーニーズマウンテンドッグ、避妊雌、42.5 kg (BCS4/5)

来院理由

ソファーに飛び乗ったときから右後肢跛行

身体所見

右後肢完全挙上
その他は特異所見なし

検査

血液検査:特異所見なし
整形外科学的検査:両側膝関節 ドローワサイン陽性、CrTT陽性
レントゲン検査 :両側膝関節 Fat pad sign、右TPA25°・左TPA26°

図1・2:右後肢レントゲン画像(術前)
図3・4:左後肢レントゲン画像(術前)

診断

両側前十字靭帯完全断裂

治療方針

症状が強い右後肢の手術を実施した後に左後肢の手術を実施。
右側のみ内側半月板後角の損傷がみられたため、損傷部位のみ切除。

術式:脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)

図5:症例の外貌
図6:前十字靱帯断裂および内側半月板後角の損傷
図7:整形外科用動力システム(Colibri2)にて脛骨の骨切り
図8:3.5 mm Broad TPLOプレート(Synthes社)を使用
図9:手術後の術創
図10:取り除いた前十字靱帯と内側半月板後角
図11・12:術前TPA 25° → 術後TPA 6°に改善
図13・14:術後14日目で負重し、術後45日目には骨癒合も達成

右後肢の手術から2週間間隔をあけて、左後肢も実施。

図15:整形外科用動力システム(Colibri2)にて脛骨の骨切り
図16:3.5 mm Broad TPLOプレート(Synthes社)を使用
図17:術前TPA 26° → 術後TPA 7°に改善
図18::骨癒合も達成

経過

術後14日目には患肢の負重が認められ、術後45日目には骨癒合を達成し散歩も可能となった。

担当獣医師:林

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