橈骨の成長板骨折に対してクロスピン法による整復

症例

5カ月齢、トイ・プードル、未避妊雌、1.74 kg (BCS4/5)

来院理由

1mくらいの高さから落下し、右前肢を挙上している。
かかりつけより勧められて、紹介来院。

身体所見

右前肢を完全挙上
その他は特異所見なし

検査・診断

レントゲン検査:右橈骨Salter-HarrisⅠ型骨折 (変位あり)

図1・2:右橈骨Salter-HarrisⅠ型骨折

治療方針

本症例の骨折は成長板をまたぐ固定が必要だが、骨折を固定する器具が成長板をまたぐと成長の妨げ起こすため、以下の手術方式を選択。

術式:K-Wireを使用したクロスピン法による固定と包帯法

図1:手術前の外貌
図2:整形外科用動力システム(Colibri2)を使用
図3:K-Wire(径0.8mm)を使用
図4:合計3本のK-Wireを挿入し、固定
図5:縫合後の術創
図6・7:術後のレントゲン画像
図8・9:術後3週間後のレントゲン画像

K-Wireによる固定から4週間が経過したため、成長の妨げにならないようK-Wireを抜去。
術式:K-Wire抜去

図10・11:小切開によるK-Wire抜去
図12:K-Wire抜去後の術創
図13・14:K-Wire抜去後のレントゲン画像

経過

K-Wireによるクロスピン法にて骨整復し、術後2週間目まで外副子により固定。
術後4週間目にK-Wireを抜去。
術後の歩行異常もなく、経過良好。

担当獣医師:林  

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