おしっこの問題:パート3 尿がでない!!危険なサインです

ブログ Vol.7

尿に関連した問題についての第三弾。今回は、排尿困難について取り上げていこうと思います。

尿がでない

こんにちは、青葉どうぶつ医療センター夜間救急チーフ獣医師の鈴木です。前回の血尿や、その原因との関連性も強い、排尿の姿勢を取っているのに尿がでないという症状、その原因と危険性についてお話していこうと思います。

排尿のメカニズムは

尿は腎臓で血液が濾過されて作られます。その後、尿管という管を伝って、膀胱という袋状の臓器に蓄えられます。通常は、ある程度の尿が膀胱に蓄えられると尿意を感じ、膀胱と尿道の境にある筋肉が神経の刺激で緩んで、尿が尿道に流れ出し、排尿に至ります。

排尿困難について

尿意はあるのに尿がない場合、尿の通り道がふさがってしまう物理的な問題が一般的ですが、稀に排尿をコントロールする神経や筋肉の機能障害によることもあります。物理的な問題は、尿道内に何らかの物質が詰まる尿道閉塞症と、尿道が狭くなってしまう尿道狭窄症があり、尿道閉塞症をきっかけに狭窄症が起こり、状況が複雑化するケースも珍しくありません。犬の尿道閉塞症は尿路結石によるものが多く、猫では結石よりも小さな結晶の蓄積や血液の塊(血餅)が詰まることもあります。また、尿道狭窄は尿路の感染・炎症や前立腺疾患、腫瘍などで起こります。犬猫ともに、これらの問題はオスの方が起こしやすい傾向があります。

尿が出せない!!緊急度は?

排尿困難は、最終的に尿を作る大本である腎臓への負担、つまりは腎障害を引き起こします。腎障害が起こったとしても、比較的速やかに尿路の開通ができれば腎臓機能は元通りに回復しますが、発見や処置が遅れたりすると腎臓は不可逆的なダメージを負ってしまい、生涯を通して治療が必要となる慢性腎障害を引き起こす危険性があります。また、尿が排泄できないと、体外に排出すべき物質が蓄積していき、嘔吐、下痢、意識障害、不整脈、最悪のケースでは命を落としてしまうこともありえます。排尿困難は非常に緊急性が高い状況でありますが、比較的みられることが多い問題でもあります。万が一、尿をしたそうにしているのに出ていない、体調が悪そうで尿をしていないなどの症状に気が付いた場合には、速やかに動物病院に来院し、検査・処置を受ける必要があります。

まとめ

重ねてになりますが、排尿困難は緊急性の高い状況です。万が一、夜間に排尿困難に気付いた場合には、朝まで様子をみずに速やかに動物病院にかかることをお勧めします。中には、重度の頻尿行動が排尿困難のようにみえるケースもありますが、こういった場合も頻尿の原因がやがて、真の排尿困難(尿道閉塞症)を引き起こすこともありますので、早期の治療スタートが重要だと考えます。特にオス猫は、メスとくらべ尿道が細く長いため非常に尿道閉塞を起こしやすい動物です。排尿困難が疑われる場合には、まずは動物病院に相談しましょう。

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