おしっこの問題:パート1 赤い尿、様子をみても大丈夫?

ブログ Vol.5

犬や猫の尿そのものや排尿行動がおかしいとき、それは時に大きな問題の兆候かもしれません。

おしっこの問題どうしたらいい?

こんにちは、青葉どうぶつ医療センター夜間救急チーフ獣医師の鈴木です。排尿は身体から不要な物質を排出する重要な生理現象で、それに関する異常や不安の相談を受けることは珍しくありません。明らかな血尿が出ているという相談から、排尿の姿勢を頻繁に取るけれど尿が出ない、尿は出るのだけどいつもよりも量が少ない/勢いよく出ないなど、内容は様々ですが、夜間救急にかかるべきか、朝まで様子をみてもいいのか、迷われる飼い主さんも少なくありません。こういった問題について、今回からしばらくご説明させていただこうと思います。

尿が赤い=血尿ではない!

黄色いはずの尿が赤色になっていたら、多くの方は血尿だと思われるでしょう。血尿であれば、尿が出ているから朝まで待って病院に連れて行けばいいかと考える飼い主さんも少なくありませんし、それで大丈夫?という相談を受けることもあります。一方、私たち医療者は、赤いという情報だけでは『血尿』とは呼びません。まずは『赤色尿(セキショク尿)』と表現し、検査で実際に赤血球を検出して初めて『血尿』という診断名を使います。この理由は、血尿以外にも赤色の尿が出る現象が存在するからです。その例としては、黄疸に関わるビリルビンや、筋肉のミオグロビンなどの色素が犬猫では鑑別に挙げられ、これらは重篤な疾患を示している可能性もあります。

赤色尿の鑑別方法

なぜ尿が赤くなっているのか、これを診断するには、もちろん、尿検査が重要ではありますが、詳細な問診や、身体検査も原因鑑別には重要です。検査を行う尿も、できるだけ新鮮なものが好ましく、当院では可能であれば院内での採尿を行います。ただし、来院前に自宅で排尿を済ませてしまっていると、院内での採尿が行えない場合もありますので、自宅でして間もない尿が採れた場合には、念のためお持ちいただくのが良いでしょう。尿試験紙や顕微鏡を用いた検査が基本となりますが、状況次第で、血液検査やレントゲン・超音波などの各種画像検査が原因鑑別に必要になるケースもあります。

早めの受診を

赤色尿のまま朝まで様子をみても、結果的に大きな問題に至らないケースもあります。しかし前述の通り、血尿以外の問題で赤くなっている場合もありますし、血尿が尿道閉塞症などの大きな問題に発展することもあります。様子をみて大丈夫だったとしても、赤色尿自体が正常な状態でないことに変わりはありません。できるだけ早く動物病院を受診して、適切な検査・治療を受けるようにしてください。

次回は、血尿についてもう少し詳しく書かせていただきます。

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