- 診療時間
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- 9:00~12:00/16:00~20:00/22:00~6:00
- 年中無休 365日診療(夜間救急:金・土・日・月)
症例
年齢:12歳3か月齢
動物種:チワワ
性別:去勢雄

来院理由
元気消失、食欲低下および下痢を主訴に来院した。
検査
一般身体検査にて脱水所見を認めた。血液検査では、腎数値の軽度上昇、リン(P)の上昇、ALPを主体とした肝酵素の上昇、総ビリルビン(T-Bil)の上昇、低血糖、CRPの上昇および白血球数の増加を認めた。
腹部超音波検査では胆嚢粘液嚢腫を認めたが、総胆管の拡張は認めなかった。
以上の検査所見から、胆汁うっ滞に伴う肝障害と診断した。
治療方針
まず、脱水の改善を目的として点滴治療を実施した。しかし、翌日の血液検査では肝酵素およびT-Bilのさらなる上昇を認め、病態の悪化が懸念された。
そのため、内科治療のみでの経過観察は困難と判断し、急遽、外科的に胆嚢摘出術を実施した。また、術中に総胆管の疎通性を確認した。




経過
術後4日目には元気および食欲の回復傾向を認め、術後7日目(第8病日)に退院した。
血液検査では、肝酵素の改善には時間を要したものの、徐々に低下傾向を認めた。
特にT-Bilは術後経過とともに改善し、第17病日には基準範囲内まで低下した。
さらに、第42病日にはALTおよびALPの改善を認め、一般状態も良好に維持されている。

血液検査の推移
| 検査項目 (正常値) | 第2病日 (手術日) | 第4病日 | 第8病日 (退院日) | 第17病日 | 第42病日 |
| AST(17–44 U/L) | 87 | 115 | 57 | 30 | — |
| ALT(17–78 U/L) | 88 | 63 | 162 | 86 | 47 |
| ALP(0–89 U/L) | 888 | 988 | 759 | 259 | 103 |
| GGT(≤14 U/L) | 18 | 16 | 18 | 15 | 17 |
| T-Bil(≤0.5mg/dL) | 4.8 | 3.3 | 1.0 | 0.4 | 0.4 |
※「—」は測定なし。
獣医師からのコメント
胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢内に粘液が過剰に蓄積し、胆汁が排出されにくくなる病気です。進行すると胆汁うっ滞や肝障害を引き起こし、さらに胆嚢壁の壊死や破裂、胆汁性腹膜炎など、命に関わる重篤な状態に進行する可能性があります。
初期には明らかな症状がみられないこともありますが、元気・食欲の低下、嘔吐、下痢、腹部の不快感などが認められることがあります。治療方法は病気の進行度や全身状態によって異なりますが、胆嚢の状態や臨床症状、血液検査所見などから外科治療が必要と判断される場合には、胆嚢摘出術が選択されます。
今回の症例では、血液検査で肝酵素およびT-Bilの上昇が進行していたことから、早急な外科的介入が必要と判断しました。術後は一般状態の改善とともに、血液検査の数値も徐々に改善しました。胆嚢粘液嚢腫は、早期発見と適切な治療方針の選択が重要な病気です。健康診断や画像検査で偶然発見されることもありますので、定期的な健康チェックをおすすめします。
担当獣医師:丸山純果先生




